セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~

~杏SIDE~

「ここが…藤ヶ谷家本家…」



私たちは『ブラックベリー』の白金の藤ヶ谷社長の邸宅を訪問。




「こんなスーツで良かった?」



保険外交員用に購入したノーブランドの黒のパンツスーツ。



「…俺がいいと言ってるんだ…大丈夫だ…」



「だって…」



「そう…緊張するな…」


孝典さんは優しい声音で私の説き伏せながら、車を車寄せに停車させた。



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