セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
ACT17*前夫と対面

~孝典SIDE~

俺は『ブラックベリー』に就職。新たな毎日が始まった。
郁弥さんがチーフを務める化粧品部に配属された。



「永瀬…」



「・・・」



「おいっ!?永瀬!」



「え、あ…はい…チーフ…何か?」



「ランチ…行くぞ…」



「もうそんな時間ですか…」



「時間だ…それよりもまだ…自分が藤ヶ谷と思ってるようだな…」



「あ…判ります?」



「一度では…お前…全然…振り向かないだろうが…」



31年間…藤ヶ谷孝典だったのに…永瀬孝典だと自覚にするにはまだ、時間が必要だった。



「まぁ~俺も佐久間だったのに…藤ヶ谷だと自覚するのに…1年はかかったなぁ」



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