セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
十字架の前にはシルバーグレーのタキシード姿の孝典さんが私を待っていた。



長身で足の長い孝典さんのタキシード姿に息を飲む。




スーツ姿もカッコいいけど…タキシード姿もカッコいい…



「どうしたの?杏さん」



「タキシード姿の孝典さん…カッコいいのでつい…」



「そうか…若い時の俺に孝典は似ている…」


「そうなんですか?」


「遊びに来た時…若い時の写真を見せてあげるよ」

私たちはコソコソと話込んでしまった。

いつまでも…ヴァージンロードを歩かない私たちを孝典さんも列席者も怪訝そうに見ていた。




「…花婿のおそばに参りましょうか?花嫁」



「あ、はい…すいません…」
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