セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「癒しに花はいかがですか?」



「…」



駅前口を出て、家路に急ごうとした時、そんな言葉が耳に入ってきた。




俺は仕事でピリピリした神経を癒す何かを求めていた。



でも、俺の部屋に花なんて一つもない…



家路を急ぐ人混みの中に無情に響く彼女の声。



俺は立ち止り、彼女の元に歩み寄った。



「いらっしゃいませ…」



威勢のいい明るい笑顔の可愛い女性店員。



「どの花にしますか?」



「…」



30歳のリーマンの部屋に花を飾って癒しになるんだろうか?





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