セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「…ゴメンなさい…娘からの電話で」


「娘?そっか…君は結婚してるのか・・・」


「残念だな・・・孝典…人妻だったのか」



マスターはそう言って、藤ヶ谷課長の前にジンライムのグラスを置いた。



「俺は別に…」



「旦那とは離婚しました…」



「そうか…良かったな…孝典…お前にもチャンスあるぞ」



「おいっ!?隆お前は余計なコトを言うな!」


「はいはい。分かりました。そうだ…自己紹介するの忘れていた…俺は南雲隆(ナグモタカシ)…孝典の大学時代の同級生だ」



「私は永瀬杏です」



「杏ちゃんか…可愛い名前だ…頭にインプットしておく」



「全く、こいつは女に節操ないから…気を付けるんだ…」


「自分の方が安全だと言いたいのか?」


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