セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「…きっぱりと安全とは言い切れない…」



藤ヶ谷課長は自信なさげに語尾を濁した。

バツが悪そうにジンライムを口にする。



私も酔い覚ましにとミネラルウォーターを飲む。



「…でも…本当に朝は救われました…」



「…孝典お前…杏ちゃんに朝から何をしたんだ?」



「おいっ!?隆お前…何か大きな誤解をしているな…」



「藤ヶ谷課長は痴漢から私を助けてくれたんです」



「…へぇ~っ」


マスターは目を輝かせて興味津々に藤ヶ谷課長を見つめる。



「…別に偶然だ…」



「…厄介ゴトを嫌うお前がね…」



「隆お前は余計なコトを言い過ぎだ…あっちに行け!」



「はいはい」

隆さんはカウンターの奥に姿を消した。

< 36 / 227 >

この作品をシェア

pagetop