セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
山脇は威勢があって仕事の出来る男。


そんな俺の認める社員に上司として尊敬されるのは嫌じゃない。
寧ろ、自慢だ…



革張りの椅子に深く身を沈めて…一息ついて、少しだけ休憩した。



デスクの右端に置かれた電話が不意に響く。

外線ではなく、受付からの内線。



「開発部の藤ヶ谷だ…」


ーーースイセン生命の外交員の永瀬様が…



「通してくれ…」


自然と綻ぶ口許にハッと我に返る。


俺は勤務中に公私混同する自分を恥ずかしく思った。


思わず一人で咳払いまで始める。



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