セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
* * *


「お忙しいのに…時間を作って頂いてありがとうございます」


「…いや、永瀬君は何を飲む?」


「あ、いえ」


「…アイスコーヒーでいいか?」


「あ、はい」


「少し待っていてくれ」



俺は執務室を出て、給湯室にあるコーヒーサーバーでアイスコーヒーを作る。



「藤ヶ谷課長?何してるんですか??」


さっき執務室に来た山脇が俺のそばに来た。



「アイスコーヒーを作っている…」




「課長がですか?内線で言って下されば俺が淹れますよ」



「いいから…山脇お前は仕事をしろっ」



普段は部下に命令して、淹れてもらうんだが・・・


山脇の目には奇異に映ったらしい。


アイスコーヒーの入った紙コップを両手に持ち、執務室へと戻る。

山脇と同様に他の社員たちも物珍しそうに俺を見ていた。
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