セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「社用車だから狭いが…我慢してくれ」



都心でも小回りが利くように社用車は軽自動車だった。


「本当にすいません」


「ついでだ。構わない…」


彼は私を助手席に乗せて、運転席に乗り込む。



「座席は適当に動かしてくれ」



「このままで構いません…」



車のキーを差し込んで、エンジンを吹かす。


そんな課長の動作にも私の胸をドキドキしてくる。




「藤ヶ谷課長…本当にありがとうございます…私…何かお礼したいんですけど」


「別に…俺がしたいと思ってしているだけだ…礼なんて」



「でも・・・」



「シートベルトを着けてくれ」



「おしゃべりに夢中になってしまってすっかり忘れてました」





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