セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
地下の駐車場を出て、昼間のオフィス街を走り抜けていく。



「…00小学校は…知っている…客先の会社がちょうど近くだ…」



「そうなんですか」



「…この先…また、同じコトが起きるかもしれないな…近くに身内はいないのか?」



「母が同じ町内に住んでいます…母も身体が弱いし…あまり頼りには…」



「…大変だな…」




「…でも、大変だけど…頑張らないと…」


本当は時々、挫けそうになる。


「渋滞か…道の選択を誤ったな…」



車は渋滞でのろのろ運転になってしまった。

「くそっ」


苛立ったように吐き捨てる。


「すいません。私のせいで」



「別に君を責めてなんていない。子供は何時までに迎えに行かないといけない?」


「時間の指定はありません」



「なら、いいっか」

藤ヶ谷課長は穏やかな笑みを見せた。




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