セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「…本当にありがとうございます」



「後でメールするよ」



「はい」



彼は私に右手を伸ばした。


私は赤い糸の繋がりを確かめるように手を伸ばす。


重なった手の平。


彼の手を大きい。


彼は私の指に指を絡めて来た。


「…愛してる…」


課長は少し照れ気味に甘い声で呟く。


「…私も…好きです」


「…じゃあな。また・・・」


手は離れ、彼はウィンドを閉める。


私は大きく手を振り、彼の車を見送る。


私に返すようにクラクションが一度だけ鳴った。


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