セカンド・ウエディング～彼の愛は濡れる雨のごとく～

「…」


私たちが動揺しているとドアが開いて中から若い男性社員が出て来た。



彼は片手に企画書を持ち、藤ヶ谷課長の叱責で落ち込んでるのか肩をガクリと落としていた。



「・・・お久しぶりです…藤ヶ谷課長」


北条所長は気を取り直して、執務室に入っていった。

私も所長の後を追い駆ける。




「スイセン生命の北条です…」



「・・・久しぶりだな」



藤ヶ谷課長は快く私たちを招き入れてくれた。



「君は？」


藤ヶ谷課長の切れ長の目が少し開いた。