セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「そう簡単に実現は出来ないと思うが…俺も色々と今の会社には不満がある」



「…私がクビになったから…辞めるとかじゃないんですね」



「ああ」


ウェイトレスが孝典さんの前にアイスコーヒーを置いた。


「生活のコトは何も心配しなくてもいい。俺は杏と結婚するつもりで交際を申し込んだ。もちろん、理沙ちゃんのコトだってちゃんと考える。理沙ちゃんの本当の父親になれるように努力する」



「孝典…さん」


男はもう…こりごりだと思い、
私は一人で理沙を育てようと決意したはずなのに。



女の私が孝典さんを強く求める…


彼は絶望の淵にいる私を優しく包み、希望に満ちた言葉をくれる。


彼の愛がまた、雨のように降り注いだ。









< 94 / 227 >

この作品をシェア

pagetop