紅の約束
残酷と世界
1年前、渋谷区。
茜は生まれた時から雷を操る力を持っていた。
3年前、父の会社が倒産して、茜は売られた。
買い取り先は茜を喜んで買ってくれた。
買い取り先の社長は、茜を人形のように殴り続けた。
助けて、お母さん、お父さん…
届かない叫びが悲しかった。
…そして決意した、逃げることを。






今日の天気は雨。
雷を操り私にとっては絶好の日だった。
電子ロックは少しいじるだけで簡単に解除できた。
追っては来ていない。
私が全員殺したから。

腐った世界なんていらない。
私が世界を変えてやる…

傷はもう増えない。

私が傷付けてやる。

感情なんていらない…

殺してやるッ…!



「信号赤ですよ。」

交差点のすぐ側で変な男に呼び止められた。
全身真っ黒のスーツ。サングラスまでかけている。
「なに、おじさん」
「世界を変えるゲームをしませんか?」





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