紅の約束
表の守零は、夜の守零とはまったく正反対の性格で、よく年上に好かれていた。
ただ、守零は同い年の友人とは仲良くしようとしなかった。
理由は簡単、ウザイから。
守零は今高校1年生で、三軒茶屋の学校へ通っている。
学校でも一人机に向かって何か考えているだけで、教師ともまったく話をしない。
時々、女子から話しかけられることはあるが、守零は全て無視していた。
「守零〜!おっはよう!」
突然、守零は背中をドンッと叩かれた。
あまりの痛みに背中が曲がり、立ち止まった。
「チッ…何しやがる!」
守零が勢いよく後ろを振り向くと、そこにはケラケラと笑う少女が立っていた。
栗色の長い髪を揺らし、守零に微笑みかける。身長は守零より3㎝程高く、下手なアイドルやタレントより整った顔立ちをしていた。
彼女は『月城唯』。
守零の幼なじみで、守零の母親のことも知っていた。
…ゲームのことは知らない。
一般人に知られるとそこでゲームはリタイアになり、殺されてしまう。
「今日も元気ないねぇー、こんなにいい天気なのにっ」
「午後から雨だってよ」
「えー…傘持ってきてないよぉ」
「知るか」
「あ!守零今週の日曜空いてる?友達が一緒に…」
ーーー守零の携帯が鳴り響く。
「あ!守零!携帯持ってきてる!」
守零は唯の言葉に耳を傾けず、黙って電話に出た。
「……はい。……了解。」
電話の内容は任務のことだった。
守零は携帯を鞄にしまうと、目的地へと向かおうとした。
…だが、唯が守零の腕を掴み、前に進むことができなかった。
「どこ行くの…?」
「……」
無言のまま唯の手を払い、守零は駆け出した。
「待って!」
唯が守零の後を追い、四つ角を右折すると、そこに守零の姿はもうなかった。
全身の力が抜け、膝がゆっくりと地面へ落ちる…
『どうして待つことしかできないのッ…!』
人と人を結ぶと…愛は生まれない。
ただ、守零は同い年の友人とは仲良くしようとしなかった。
理由は簡単、ウザイから。
守零は今高校1年生で、三軒茶屋の学校へ通っている。
学校でも一人机に向かって何か考えているだけで、教師ともまったく話をしない。
時々、女子から話しかけられることはあるが、守零は全て無視していた。
「守零〜!おっはよう!」
突然、守零は背中をドンッと叩かれた。
あまりの痛みに背中が曲がり、立ち止まった。
「チッ…何しやがる!」
守零が勢いよく後ろを振り向くと、そこにはケラケラと笑う少女が立っていた。
栗色の長い髪を揺らし、守零に微笑みかける。身長は守零より3㎝程高く、下手なアイドルやタレントより整った顔立ちをしていた。
彼女は『月城唯』。
守零の幼なじみで、守零の母親のことも知っていた。
…ゲームのことは知らない。
一般人に知られるとそこでゲームはリタイアになり、殺されてしまう。
「今日も元気ないねぇー、こんなにいい天気なのにっ」
「午後から雨だってよ」
「えー…傘持ってきてないよぉ」
「知るか」
「あ!守零今週の日曜空いてる?友達が一緒に…」
ーーー守零の携帯が鳴り響く。
「あ!守零!携帯持ってきてる!」
守零は唯の言葉に耳を傾けず、黙って電話に出た。
「……はい。……了解。」
電話の内容は任務のことだった。
守零は携帯を鞄にしまうと、目的地へと向かおうとした。
…だが、唯が守零の腕を掴み、前に進むことができなかった。
「どこ行くの…?」
「……」
無言のまま唯の手を払い、守零は駆け出した。
「待って!」
唯が守零の後を追い、四つ角を右折すると、そこに守零の姿はもうなかった。
全身の力が抜け、膝がゆっくりと地面へ落ちる…
『どうして待つことしかできないのッ…!』
人と人を結ぶと…愛は生まれない。