赤い結い紐
プロローグ
パチパチと火のはじける音がする。
半分焼け落ちた家の壁は、燃え広がる赤い炎によって明るく照らされている。
そんな中、逃げるそぶりも見せずに男は、まだ温もりの残る身体を抱きしめていた。
男の瞳からは涙が溢れては床に落ちていくが、
そんなものでは徐々に二人を包もうとする炎を、少しも抑えることはできないというのに。
半分焼け落ちた家の壁は、燃え広がる赤い炎によって明るく照らされている。
そんな中、逃げるそぶりも見せずに男は、まだ温もりの残る身体を抱きしめていた。
男の瞳からは涙が溢れては床に落ちていくが、
そんなものでは徐々に二人を包もうとする炎を、少しも抑えることはできないというのに。