赤い結い紐
「いっぱい泣いちゃった」

呟くと、由加里が微笑みながらペットボトルを渡してくれた。

千珠は少し考えてから受け取り、蓋を回した。

今度は上手く開けることができた。

ぬるくなったウーロン茶を一口だけ口に含み、蓋を閉じる。

渇いたのどには格別においしく感じた。

「もっと飲んだら?」

と言う由加里に、千珠は首を振って答えた。

「また泣いちゃいそうだから」

「そうだね」

笑って、由加里が時計を見た。

十一時半だった。

あれから一時間以上も泣き続けていたことになる。

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