赤い結い紐
「じゃあね、もし……もしだよ。その人が生まれ変わるまで時間をとめて、生きて待っていられるとしたら? 

うまく見つけられればまた一緒に暮らせるとしたら? 

そしたら、由加里は時を止めてもらう?」 

真剣に問い詰める千珠を見て、由加里は困ったように眉間にしわを寄せた。

「あのさぁ。言っている意味が見えないんだけど?」

「うん、わかってるけど。由加里だったらどーする? 答えて」

それでも千珠は引かずに答えを求める。

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