赤い結い紐
翌朝目を覚ますと、千華に抱きかかえられるようにして眠っていた。

離れようにも、しっかりと回された千華の両手が、

身動きできないほどに、武の身体を拘束していた。

武は仕方なくタバコを目で探すが、

どうやらここは千華の部屋らしく、タバコは見あたらなかった。

ないと分かると無性に吸いたくなるのが常というもので、

武はそっと千華の手を外しにかかる。

なんとか片手を外してもう少しというところで、

目の前にあった千華の瞼がパッと開いた。

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