赤い結い紐
レイラが去った後、軽い放心状態から回復し、

外に飛び出そうとして千華に止められたこと。

そして何度か部屋から抜け出そうと試みたのだが、

結局は千華に抱きしめられながら眠ったのだった。

たぶんこの荷物の山は、

夜中に武が出て行けないようにと千華がやったことだろう。

武は椅子と雑誌を元の場所に戻すと、ベッドに戻り千華の横に潜り込んだ。

気配を感じたのか千華の腕が伸びてきて、武の身体を引き寄せる。

武はそっと微笑んで、そのまま眠りについた。


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