赤い結い紐
驚いたように千珠の顔を見つめていた武の表情も、

手に込められた力が抜けていくのと同時に、

やわらかなものへと変化していった。

「あんた、変な奴だな。

俺のこと気持ち悪くないのか?」

「うん、気持ち悪くなんかないよ。どうしてそんなこと訊くの?」

問い返す千珠の顔には、本気で不思議そうな表情が浮かんでいる。

それを見て、武はため息をついた。

そして告げる。

「あんた、変な奴だな」


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