赤い結い紐
「そういえば、あんたっていくつなんだ?」
 
氷が溶けて薄くなったウォッカライムを、一口飲んで訊いてみた。

ほんのりとした甘味が口の中に広がる。

「二十四歳よ。あなたは?」

「一応、二十一かな? 正確に言うと四百二十歳くらいだけどな」

「じゃあ、わたしよりも年上なのかしら?」

氷が溶けて二層になったカシスオレンジのグラスを、千珠がストローでかき混ぜる。

オレンジ色の液体はグラスの中で混ざり合い、少しだけその色を薄く濁らせた。

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