赤い結い紐
その女の子は真っ黒なTシャツの真ん中に英語で文字が書かれたものを着ていて、

そこから伸びる腕は陶器のように薄白く透き通っていた。

おそらく自分でカットしたであろうボロボロのジーンズから見える足も、同じように白かった。

そして両腕で何かから身を守るように身体を抱え、

ブルブルと小刻みに震えていた。

荷物は何もなく、靴さえも履いてはいなかった。

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