赤い結い紐
タイミングを計るように二人を見つめていると、ウィンドウ越しに千珠の姿が見えた。
何故か彼女はお店に入って来ようとはせず、壁際に隠れるようにしてしきりに手招きを繰り返している。
由加里は二人の姿を盗み見たあと、入り口から顔を覗かせた。
「あんた何してるの?」
由加里が声をかけると、千珠は人差し指を口元に当てて、まるで由加里との間の空間を手繰り寄せるかのように手をかいた。
そして店内をすばやく確認すると、走りよってきて由加里の手をつかみ、元いた場所まで引き寄せた。
その間わずか三秒ほどの早業(はやわざ)だった。
いつもの千珠の行動とは、比べ物にならないぐらいに早かった。
何故か彼女はお店に入って来ようとはせず、壁際に隠れるようにしてしきりに手招きを繰り返している。
由加里は二人の姿を盗み見たあと、入り口から顔を覗かせた。
「あんた何してるの?」
由加里が声をかけると、千珠は人差し指を口元に当てて、まるで由加里との間の空間を手繰り寄せるかのように手をかいた。
そして店内をすばやく確認すると、走りよってきて由加里の手をつかみ、元いた場所まで引き寄せた。
その間わずか三秒ほどの早業(はやわざ)だった。
いつもの千珠の行動とは、比べ物にならないぐらいに早かった。