赤い結い紐
「聴こえる?」
「ああ」
「これで聴けばいーよ」
武はイヤホンを外して、音楽をとめた。
「でもこれ、どーしたんだ?」
武が訊くと、千華が「ふふふ」と微笑んで言った。
「ジンさんがこの前持ってたのを思い出したから、もらってきちゃった」
「そうか。でもジンがなんでこんなもの持ってるんだ?」
「なんかねぇ、麻雀で勝って借金の形に貰ったんだって。
この前『いるか?』って訊かれたんだけど、あたしコンポ持ってるからいらないって言ったの。だから武が貰っとけば?」
千華が意地悪そうに微笑んだ。
「どうせジンさんが持っていたって、しょうがないしね」
確かにあのジンが焼酎のビンを傾けながらMDを聴いている姿を思い浮かべると、あまりにも不釣合いだった。
「そうだな、じゃあ貰っておこうかな」
「うん、そうしなよ」
「ああ、ありがとな」
「その代わり、あたしにもダビングさせてね」
そう言って、千華がかわいく笑った。
「ああ」
「これで聴けばいーよ」
武はイヤホンを外して、音楽をとめた。
「でもこれ、どーしたんだ?」
武が訊くと、千華が「ふふふ」と微笑んで言った。
「ジンさんがこの前持ってたのを思い出したから、もらってきちゃった」
「そうか。でもジンがなんでこんなもの持ってるんだ?」
「なんかねぇ、麻雀で勝って借金の形に貰ったんだって。
この前『いるか?』って訊かれたんだけど、あたしコンポ持ってるからいらないって言ったの。だから武が貰っとけば?」
千華が意地悪そうに微笑んだ。
「どうせジンさんが持っていたって、しょうがないしね」
確かにあのジンが焼酎のビンを傾けながらMDを聴いている姿を思い浮かべると、あまりにも不釣合いだった。
「そうだな、じゃあ貰っておこうかな」
「うん、そうしなよ」
「ああ、ありがとな」
「その代わり、あたしにもダビングさせてね」
そう言って、千華がかわいく笑った。