赤い結い紐
10
行かないで
武は会社帰りのサラリーマンや繁華街で遊ぶ若者達の間をぬって、今日も同じ道を歩いていた。
千珠が家に来て洋服をプレゼントしてくれた日からこの一週間、
ほぼ毎日といっていいほどこの道を通り、千珠と由加里がいる店にと歩いていた。
武は若い女の子の二人組みと肩をぶつけて、「悪い」と小さく呟く。
茶色の髪の毛を肩まで伸ばしたタンクトップ姿の女の子が、同時に「すいません」と言って薄く微笑んだ。
武はそれを見て、さきほどの千華とのやり取りを思い出した。
「ねぇ、今日も行くの?」
「ああ」
「今日は行かないであたしと遊んでよ」
「悪い、今日はどうしても行かなくちゃいけないんだ。帰ってきたら遊んでやるから」
「……もう、いい……」
千珠が家に来て洋服をプレゼントしてくれた日からこの一週間、
ほぼ毎日といっていいほどこの道を通り、千珠と由加里がいる店にと歩いていた。
武は若い女の子の二人組みと肩をぶつけて、「悪い」と小さく呟く。
茶色の髪の毛を肩まで伸ばしたタンクトップ姿の女の子が、同時に「すいません」と言って薄く微笑んだ。
武はそれを見て、さきほどの千華とのやり取りを思い出した。
「ねぇ、今日も行くの?」
「ああ」
「今日は行かないであたしと遊んでよ」
「悪い、今日はどうしても行かなくちゃいけないんだ。帰ってきたら遊んでやるから」
「……もう、いい……」