赤い結い紐
「だからって……」

武が押し黙るように呟くと、レイラが胸元を隠して微笑んだ。

「で、どうするんだい? あたしが千夜の生まれ変わりってことなのかい? 

染めているけど、髪の毛も黒いよ?」

「そんなこと俺が訊きたい! どうなんだ?」

「さぁねぇ、あたしにはわからないよ」

はぐらかすようにレイラが言った。

「まぁ、あたしはいいけどね。あんたがあたしを選ぶっていうならさ」

「少し、考えさせてくれ……」

武には、こう答えることしかできなかった。
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