赤い結い紐
彼女は中学校時代からの一番仲のよい友達だった。

同じ中学校で同じクラス、三年間をともに過ごした。

残念ながら高校は別々になってしまったのだけど、一月に一回は定期的に会い、友情を育(はぐく)んでいた。

一年前、このお店をオープンするときに誘われて、それ以来この店で働かせてもらっている。

OLでお茶くみしかとりえのなかった自分が、まさか洋服屋で働くことになるとは思ってもいなかった。

それでも、お客さんが自分がすすめたものを喜んで買っていってくれるのは、文句なしにうれしい。

こんな気持ちを知ることができたのも由加里のおかげだ。

そして彼女は、今では姉のようにあれこれと世話を焼いてくれる大切な存在だった。

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