赤い結い紐
千華が、

「なに? あたし変なこと言った?」

と隣に座っているジンに話しかけるが、ジンは無言で笑いをかみ殺していた。

「ねえ、あたしも手伝ってあげるからさぁ、明日探しに行こうよ」

武の意識を引きつけるように、千華がテーブルを両手で叩く。

レイラが注意するのをじっと待っていた武は、助けが来ないことがわかると、

ハンバーグを飲み込んでついに重い口を開いた。

「うるさいんだよ、ほっとけよ。

おまえこそいつまでもこんな所にいないで、帰るところがあるんならさっさと帰ったらどうだ? 

おばあちゃんになっちまうぞ」

そう吐き捨てて、千華の顔を睨む。


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