赤い結い紐
「なんで? ねぇ、なんで生きてるの?」

「おや、死んでほしかったのかい?」

「そうじゃないけど、おかしいよ。だって、あんなに燃えていたのに。

それに……ここってどこなの?」

千華が矢継ぎ早に質問を浴びせる。

「日本に決まってるじゃないか」

おかしそうに笑いながらレイラが言った。

「そんなの判ってるよ。あたしが訊いてるのは――」

レイラは手を挙げて千珠の言葉を遮ると、

その手を水晶球の上にさっとかざした。

「いいから黙って見てな」

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