ゆる恋〜毒舌彼氏と甘い恋〜
正直、今有意義に過ごしている僕の時間が削られるのも嫌だった。
はっきり断ろうと本から目線を離し、口を開く
そこまではいつもと一緒だった。
なのに―
前を見ると、真っ赤な顔して、そわそわしてる女の子がいる。
そこで初めて相手が同じクラスの笠本結花だと気が付いた。
笠本さんの印象は正直無い。
しいて言うなら鈍臭いやつってくらい。
しばらく様子を見ていると
僕が何も言わないのに不安になったのか、顔を上げ
「えっと……、えっと?んっと……」
と言葉を探す。
その仕草が少し猫みたいだなんて思ったけど、別にそれだけ。