ゆる恋〜毒舌彼氏と甘い恋〜


正直、今有意義に過ごしている僕の時間が削られるのも嫌だった。

はっきり断ろうと本から目線を離し、口を開く

そこまではいつもと一緒だった。


なのに―


前を見ると、真っ赤な顔して、そわそわしてる女の子がいる。

そこで初めて相手が同じクラスの笠本結花だと気が付いた。


笠本さんの印象は正直無い。

しいて言うなら鈍臭いやつってくらい。


しばらく様子を見ていると

僕が何も言わないのに不安になったのか、顔を上げ


「えっと……、えっと?んっと……」

と言葉を探す。

その仕草が少し猫みたいだなんて思ったけど、別にそれだけ。

< 172 / 323 >

この作品をシェア

pagetop