ゆる恋〜毒舌彼氏と甘い恋〜


こんなに寒いのに待っててくれたんだ……。

嬉しくなる自分とは反対に


「天川くん、もういい?」

ピリピリとする橋本くん。


橋本くんは竜介にそう聞きながらも

私の手を引いていて、待つ気なんてことさら無い様だ。

「おいっ……ちょっと待てよ!」

竜介の言葉を無視してスタスタ歩き出した。

早いよ……橋本くんっ。


校門を出た所で立ち止まり、橋本くんは


「笠本さんのクセに僕を待たせるとか生意気」

こっちを見ないでそう言った。


橋本くんが何を思ったかは分からない。


ただ、引っ張られる手だけは熱かった。



< 71 / 323 >

この作品をシェア

pagetop