ゆる恋〜毒舌彼氏と甘い恋〜
こんなに寒いのに待っててくれたんだ……。
嬉しくなる自分とは反対に
「天川くん、もういい?」
ピリピリとする橋本くん。
橋本くんは竜介にそう聞きながらも
私の手を引いていて、待つ気なんてことさら無い様だ。
「おいっ……ちょっと待てよ!」
竜介の言葉を無視してスタスタ歩き出した。
早いよ……橋本くんっ。
校門を出た所で立ち止まり、橋本くんは
「笠本さんのクセに僕を待たせるとか生意気」
こっちを見ないでそう言った。
橋本くんが何を思ったかは分からない。
ただ、引っ張られる手だけは熱かった。