ゆる恋〜毒舌彼氏と甘い恋〜


「待てよ」

だけど、竜介はそれを阻止する。

お互いに睨み合う中で橋本くんは口を開いた。


「僕、今君と話たくないんだよね」


それは、竜介とは比べものにならないくらい低い声で。

私でもびくりとしてしまう。

すると、橋本くんは私を担いだまま部室を出た。


「下ろしてっ……橋本くん!」

バタバタと暴れてみるけれど

「うるさい」

と言われるだけで、離してくれる様子は無い。


だって嫌なの。

橋本くんじゃない人とキスした事が

橋本くんに触れてちゃ駄目なの……

「離してよぉ……。」

涙がまた出てきて、そっと下ろされたと思ったら

そこは屋上だった。
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