あたしの証【完結】
「早くこい」

にやにやしてるあたしを見て、訝しげな顔をしたゆうやだけど何も言わず歩いた。

一件の高そうなショップ。
ゆうやはなんのためらいもなくそこへ入る。


店員に話しかけると

「こいつに合いそうなのよろしく」

それだけ告げて、ソファに腰かけてしまった。



「……」


またあたしは目をぱちぱちさせながら、店員に促されるまま試着室へ向かう。

何がなんだかわからないままあたしは渡された洋服を試着する。
ゆうやを見るが、首を傾げて別の洋服をまた試着する。

それを何回か繰り返して、やっとゆうやは納得したみたいだった。


ワンショルのトップスに、ハイウエストのマーメイドスカート。
ゴールドが眩しいウエストベルトをして、慣れないヒール。
さっきまでのシャツにジーンズ姿が嘘みたいに。

相変わらずサングラスは外せなかったけど。


「まだ寒いから…これも」


そう言って渡した上品なキャメルのトレンチコート。
ふと見えたタグの値段を見て目が飛び出そうなぐらい吃驚する。

0…いくつ?
ってか、まじでケタ違い。



あたしが何か言うよりも先にゆうやは会計を済ます。
口をあんぐりしたままゆうやを見つめる。
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