あたしの証【完結】
「それにしてもゆうやさん、遅いですね」

「うん、そうだね」


ゆうやが呼ばれてからしばらく経つ。
どうしたんだろうなと、ゆうやを探そうと首を回した時だった。



がっしゃーーーーん!!!!



いきなりでかい音がして皆が一斉に音の方を見る。

床に散らばる割れたシャンパングラスとボトル。
そこにいたのはゆうやと、女の人。


「私は!!ゆうやが好きでしょうがなくて!!」


唖然としながら、黙ってそれを皆が見る。


「でも、ゆうやは私なんかお客さんとしか見てないんでしょう…?」

「…ゆりえ…」

「私のこと、一度だって抱いてくれないし、手だって…もう、ずっとずっとゆうやしかいなくて」

「……ゆりえ。
俺がホストやってて、ゆりえを抱いてゆりえは満足か?」

「……」

「ゆりえを大事に思ってるから…なおさら俺は手が出せないんだよ。
わかって?」

「…うん…」

「だけど、俺は簡単に辞められる立場じゃない。
手を出さない俺に耐えられないなら…俺も苦しいけど。
ゆりえ、もう来なくていいから…」


その瞳は。
限りなく冷たくて。
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