あたしの証【完結】
「…!!!」

その瞳を見たその子は。


「ごめんな」

ただ一言、謝るゆうやに、縋るように抱きついていた。



「やだ!やだ!!!私、ずっと…ゆうやといたいから!
ごめん、不安だったの…私こそごめんね。
また来る…今日は、帰るね…」

「…わかった、下まで送るよ」

そう、言うとゆうやは少し口角を上げて、その人の肩に手を回して店を後にした。



一瞬、しーんと静まりかえった店内だったけど、さくやさんの言葉で皆が調子を取り戻し、すぐに何事もなかったかのように笑い合っていた。


「…ごめんね」

「…何がですか?」

「なんか、初めてなんですよね?
こういうとこ。
ああいうのよくあるんだけど…特にゆうやさんの場合は」



ゆうやは女嫌いだから、手を出さないし。
きっと、ゆうやの客は皆、女の方から声をかけて、女の方から誘って。
だけど、ゆうやは寸前で冷たいからそれに不安になって。
だからこそ、ゆうやから離れられなくて。



皆が皆。
好きな人とずっと幸せになれたらいいのにね。





改めて、ゆうやという人間に興味を持った。
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