あたしの証【完結】
「咲夜、さんきゅ」

そこへ、ゆうやが戻って来て咲夜さんの肩を叩く。


少し赤くなっている頬。
あの子に叩かれたのだろうか?



「あ、ゆうやさん。お疲れ様です」

「……」


にこりとだけ笑ってゆうやはあたしの隣に座る。
さくやさんは席を立って、別の席へ行ってしまった。

「びっくりしたでしょ」

「ああ、うん。ちょっと」

「ま、誤解されんのには慣れてるからいいけど」

「…そこ、叩かれたの?」

「……あ、ばれた?」

「ちょっと赤くなってるし、腫れてる」

「まーゆりえ、男にふられてからホストにのめり込んだからさ…。
俺がその男の代わりなんだよね。
って、言ったら殴られた。
当たり前なんだけど…」


くくっと笑うゆうや。
ああ。
きっと、ゆうやは寸前で切るようにしてるんだ。
自分に心底惚れてる女は、切るんだ。
だけど、それはきっと。



ゆうやの優しさなんだよね。



それに気付けないから、皆ゆうやを誤解しちゃうんだ。

それから、またゆうやは指名があって席を外したり。
なんだかんだで時間は過ぎて、閉店の時間になった。
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