あたしの証【完結】
「ボロボロに振られたのは、自分が原因だった。
なつきに酷いことしたのはあたしだか…「あかり」


その時、あたしの言葉をゆうやが遮った。


「俺はさ、二人の事情しんねーけど。
どんな過去があったかしんねーけど。
あかりは悪くないんじゃねーの?」

「そんなことない。
あたしが酷いことしたから」

「俺、わかんねーんだけど。
過去、なんかされて復讐のためにあかりと付き合って。
そんなん……好きの裏返しじゃねーの?」

「………そ、んなわけ」

「だって、そこまで想うって。
あかりのこと好きだったからじゃねえの…?」

「……」

「だから憎かったんじゃねえの?
あかりとそいつ、楽しかった時間はあったんだろ?」

「…あった」

「裏切るためだけって。
そんなん…なんか、俺信じられねーわ。
俺もねーちゃん、死んでほしいぐらい嫌いだけど復讐しようとか思ったことねーし。
恋愛感情ってさ…意味わかんねーじゃん。
本当に」


もしも。
たとえば。

そう、例えば。



“来るな!なんなんだよ、俺をもう…苦しめないでくれ!”



「……それが…本当だとしても。
あたしはもう、なつきに会う資格なんか…ないんだよ。
あたしはなつきを苦しめてるんだから…」

「………」


ゆうやはそれ以上何も言わなかった。
そしてあたしも。



無言のまま家に入る二人。
迎えてくれたりなさんは明るかった。

それを見て自然とあたしは笑顔になれた。
そんなりなさんだからゆうやは好きなんだろうな。
改めて思う。


張り切ってくれたりなさんの料理は凄くて、どれもおいしそうで。
唐揚げや、マッシュポテト、肉じゃが、オムレツ、コンソメスープ。
あたしは苦しくなるぐらいに食べた。
幸せな、食事の時間だった。


嬉しそうに食べるあたしの顔を見て、りなさんとゆうやは優しく微笑んでいた。
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