あたしの証【完結】
「…っ……ぐ!!!!!ああああ!!!」





焼ける肌の匂い。
顔を思い切り歪める。

痛い、熱い。
だけど、あたしは手を離さない。



むせそうだ。

あたしの声に気付いたりなさんは何事かと、あたしの元へ駆けつけた。



「あかりちゃん、どう……!!!!」



がらん。


床に力なく、落ちる鉄の棒。




「あ、あかりちゃん!!」


りなさんの声でゆうやも、寝室から出て声をかけた。


「…りな、どうし…」


寝ぼけながらこっちにくる。
だけど、しゃがみこむあたしと、顔を覆って震えるりなさんを見て状況をすぐに飲み込んだのか、ゆうやの顔つきが険しくなった。



「あかり?」


低い声で、一言。

ゆうやはあたしと目線が合うようにしゃがむと、隠すあたしの手をゆっくりとどかしてそれを見る。


涙が溢れ出て止まらない。
だけど、それは決して痛いからじゃない。
< 127 / 329 >

この作品をシェア

pagetop