あたしの証【完結】
あたしの証は。
焼けてしまって。
微かに端っこが見えるぐらいだった。
はたから見たらなんて書いてあるかなんてわからない。
ゆうやは黙ってそれを見ると、あたしを思い切り抱きしめた。
「……なんでこんなことすんだ!
バカ野郎!!」
怒ってるけど…でも、優しい声。
だけど、切ない声。
それだけで、胸が苦しくなる。
「……ごめ、ん…ゆうや、りなさん」
「謝るな」
「あたし……これがあったら前に進めないから。
ごめん…」
「……」
それにシンと部屋が静まり返る。
二人とも黙ったままだった。
あたしね。
本当に感謝してるんだよ…?
まだ一ヶ月しか一緒にいないけど…。
あたしには二人が大切な家族なんだ。