あたしの証【完結】
「あかりー?」


あたしの部屋の外からゆうやの声が聞こえる。


「なーにー?」

ドア越しにあたしは返事をした。


「りながケーキ焼いたから食べな」

「え!まじで!行く!」



あたしは捲くしあげてた洋服を下げると急いでドアを開けた。
と、同時にケーキの甘い匂いがあたしを誘う。


「うううーーいいにおい!」

「あかりちゃん!今日はチョコレートケーキ焼いてみたの」


あたしは目を輝かせながらイスに座る。

りなさんのケーキはお店に出せるぐらいの見た目に味。
あたしはこれを一人占めできる。
なんて贅沢なんだろう。



「お前もな。なんか、こんなん作れば男出来るんだろうけど」


目の前に座るゆうやは頬杖をつきながら、溜め息を吐きながらそう言った。



「いいのー!あたし、りなさん好きだから」

「そりゃ、りなの料理が好きなんだろ」

「違うもんね~!ゆうや、うかうかしてるとあたしがりなさん奪っちゃうからね!」

『ねー!』


あたしとりなさんは声を合わせ、顔を傾ける。
二人の様子にゆうやは嫉妬する事なんてなく、ただ軽く微笑んだ。





余裕なんだな、ゆうやは。
二人の絆は深いんだろうな。
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