あたしの証【完結】
「りなには連絡したから。
行くぞ」


車のキーを持って、真っ白なスーツを羽織りながらゆうやは靴を履く。
その姿は、なんて絵になるんだろう。


あたしは改めてゆうやのかっこよさに惚れぼれしてしまった。



久しぶりのゆうやのお店。
入ると、またたくさんのホストがあたしを出迎える。


今日は着替えが無いからそのままゆうやはあたしの横に座った。
一度、お店を見渡すとさくやさんの顔を見つける。
さくやさんは他のテーブルについていた。


「あかり、飲むか?」

「…うん!」


あたしはいつの間にか成人していて。
お酒が飲める歳になっていたんだ。

去年は未成年だって断ったのにね。



成人式はもちろん行ってない。
行こうとすら思ってなかった。
だけど、りなさんが記念だからって着付けしてくれて。
写真だけ撮ったんだ。

あたしにはそれが一生の思い出。




ゆうやが頼んでくれたお酒がすぐにきたけど、ゆうやはすぐに呼ばれてしまった。
あたしは別に大丈夫だから、ゆうやにはお客さんを優先してほしかった。



運ばれた赤ワインに口をつける。
少し渋くて大人な味。
まだまだあたしは子供なのにね。



「あかりちゃん」

「え?」

顔を上げたらさくやさんがいた。
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