あたしの証【完結】
「あかりちゃん、タトゥー入れてるんだね」

「あ、うん」

「かっこいい」

「…本当に?」

「うん、俺好きですね、女の人のタトゥー」

「あり…がと」


少し照れた。
初めて褒められたから。

仕事場では肌を見せることなかったし。
当たり前なんだけど。


「てか、細すぎ!
食べてます…?」

「うん、食べてるよ?
昨日もケーキ食べたし」

「嘘…?
あかりちゃん、太らない体質…?」

「…そうなのかな?
気にしたことないな」

「世の女敵に回したね」

「あたし、自分細いと思わないよ?」

「更に敵に回した!後、俺も!」

「あはは!」

さくやさんのお陰であたしは退屈しないで済んだ。
ゆうやは本当に少ししかいられなかったけど。



閉店して、帰りの車の中。
ゆうやは余程疲れたのか、いつもより口数が少なかった。
毎回思うけど、ゆうやっていつ寝てるんだろってぐらい起きてるんだよな。

…本当に大丈夫かな。

< 155 / 329 >

この作品をシェア

pagetop