あたしの証【完結】
「…あかり」

「ん?」

ゆうやは真っ直ぐ前を見据えながら言った。

「咲夜にしない…?」

「…は?」

「咲夜なら絶対あかりのこと大事にしてくれる。
あかりはなつきを好きかもしれないけど。
だから、こんなこと言うのおかしいけど…
俺、あかりには幸せになってもらいたいんだ。
今のままなつきを思っても、あかりは幸せになれない。
わかってるだろ?」

「……」


その言葉に胸が苦しくなる。


わかってた。
痛いほど。
今のままじゃあたしは幸せにはなれないこと。

でもね。
でも。



ゆうや。
あたしは。

なつきを好きになれたことが幸せなの。



今まで好きってことがわからなかったあたしが。

なつきをここまで好きになれたの。

それがあたしには幸せなの。



だから、これからもずっと。
あたしは切ない幸せを貫いていくの。
< 156 / 329 >

この作品をシェア

pagetop