あたしの証【完結】
「咲夜、昔裏切られてそっから進めてないんだよ。
あかりなら咲夜のこと、変えられる気すんだ」

「あたしにそんな力ないよ」

「ある。断言する。
あかり、もっと自信持っていい」

「…ゆうやだけだし。
そんなこと言ってくれるの。」

あたしが俯きながら言うと、ゆうやはふっと笑った。


「俺の人気知ってていってんのかよ。
俺がどんだけモテるか知ってんだろ?
その俺が言ってるんだから間違いない」


余りにも自信満々に言うから、そうなのかって思えてくるから不思議だ。


「…あたし。
なつき以外好きになれる自信が無い。
だから、あたしさくやさんとはお店以外で会うことないよ」

「まあ…
俺もりな以外そう、思えないから…
あかりの気持ちもわかるんだけどな」

「りなさんがゆうやの中で別格なの知ってる!」


ケタケタと笑いだすあたし。


ゆうやのりなさんバカっぷりは凄いから。
毎日毎日愛の言葉を囁いて。
二人はいつだって寄り添っている。

一年前と全く変わらない二人を毎日幸せな気持ちで見てきたから。



「だけど。
考えておいて」

「…わかった」


そう、言われたけど。
あたしは二人で会う気なんてこれっぽっちもなかった。

あれを見るまでは。

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