あたしの証【完結】
「ど、こか行きましょうか!」


その沈黙をさくやさんが破ってくれた。
多分、あたしからは破れなかったから助かった。
無言で頷くあたし。


「行きたいとこあります?」

「特に…は」

「うーん。じゃ、俺のいつも遊んでるコースでいいですか?」

「うん!おまかせする」

「わかりました!」


そう言うと、さくやさんは歩き出す。
あたしもそれに合わせる。

よく見ると、さくやさんはゆうやとは違って。
甘い顔とゆうか。
ジャニーズ系なのかな?
ゆうやはクールな感じだけど、さくやさんはふんわりって感じ。


「あ、のー…俺。
あかりちゃんと出かけていいんすかね…」

「え?!」

「だって、あかりちゃん、ゆうやさんのマジカノでしょ?」

「あ…」


困ったように笑うさくやさん。
ちゃんと説明しておこう。
向き合うために。
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