あたしの証【完結】
「それだけど、あたしゆうやの彼女でもなんでもないよ」

「え?ええええええええ!」


立ち止まって大きな声を出して驚くさくやさん。
目を白黒させてる。
あたしの話が信じられないって感じで。


「もっと言うと、初めてお店に行った時からあたし、ゆうやとはなんでもなかったよ」

「……」

さくやさん、口開けっ放し。
相当驚かせてしまったみだい。


「…さ、最初から…すか」

「うん」

「な、言ってくれればって…言えないか」

「うん…また店行くと思ってなかったし」

「え、じゃあゆうやさんとはどんな関係なんですか?」

「あーえーーと。
よき友人…?」

「ゆう…じん?」


我ながら苦しい言い訳。

拾われたなんて…言えないし。
それにりなさんのことも言えないし。


「そ…うなんですか。
そっか。
あーーーーーー!!!!うしっ!!!」

「…ど、どうしたの?」


いきなりガッツポーズをして、気合いを入れるさくやさん。


「なんでもない!
俺、タメ口でいい?」

「あ、うん」

「じゃ、行こうか」


にっこりと優しく微笑む。
その柔らかな笑顔にどきりとした。


さくやさんは話題豊富であたしを楽しませてくれた。
< 164 / 329 >

この作品をシェア

pagetop