あたしの証【完結】
「プリクラ撮ろうよ!」

「え?あ、うん」


勧められるがままあたしはプリクラ機の中へと入る。
慣れた手つきでさくやさんは色々決めていた。

あたしは今までプリクラなんてものを撮ったことがなかったから。


今時の子なら当たり前で。
それが普通なんだろうけど。

あたしにはそれが普通ではなかった。

なつきとも撮ったことはない。

だからこれが本当に初めてだった。




「あかりちゃん、なんも指定しないで珍しいねー」

「…慣れてるね」

「え?まあ、よく撮るかな、あ、撮るよ!」

「え?」


カシャ

カシャ

カシャ


フラッシュと、カメラの音だけ聞こえて。

本当に一瞬の内に終わってしまって、顔を作ることも出来ず無表情だったと思う。
緊張してしまって、まだ顔が強張っている。


…ありえない。
それに比べてさくやさんはすっごい素敵な笑顔。
やっぱ慣れてんなあ。
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