あたしの証【完結】
「あ、あたし顔ひどすぎる」

「そう?」

「うわあああやだやだ」

「大丈夫、これとこれとー」

「あ!」


あたしが一人で恥ずかしがってると、さくやさんに勝手に選択されてしまった。


「……ひ、どい顔」


落書きするために一枚一枚大きくうつる。


あああ…穴があったら入りたい。
あたし、多分もう一生撮らないな。
これが最初で最後。
うん。



「あかりちゃん、あまりプリ撮らない?」

「…てか、初めてで」

「え!?初めて???」

「うん…」

「そんな子まじでいたんだ…」

「だって撮る機会なかったし」

「えええ??彼氏とか、友達とか、あかりちゃんなら好きそうなのに」

「どっちもいないし」

「…彼氏も…?」

「うん」

「………」

「…?さくやさん?」

「え?あ、なんでもない。
これ、落書きして」

「え?わからないし」

「スタンプ、ここにあるでしょ?」


そう言いながらさくやさんが、あたしのスタンプの場所を指さす。


「あ、うん」


…あ。
さくやさん、めっちゃ顔が近い。
てか。
今気付いたけど。
めっちゃ密着してません…????

今更気付いて凄く緊張してきた。


か、顔が熱い。
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