あたしの証【完結】
「でーきた!」


初めてのプリクラ。
それを片手にさくやさんは一人歩いていく。


「ど、どこへ?」

「え?あ、そか。
はさみで切るんだよ」

「切る?」

「うん、俺とあかりちゃんの」


そう、言うとさくやさんははさみで半分に切った。
その半分をあたしに手渡した。
それを受け取ってまじまじと見つめる。


「やっべー俺、携帯にはろーっと」

「え?!それってお客さんとか見られて困らない?」

「うん、だからここに貼る」


器用に一枚を切り取ると、さくやさんは電池パックのふたの裏に貼りつけた。


「ちょっと…古いけどね」

「古いの?」

「あーうん。昔よく流行ってたから」

「そうなんだ…」

あたしって本当にこういうの知らない。
確かに関わらなかったあたしが悪いんだけど。

なんか、あたしには知らない世界が多すぎるのかな。
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